日本人男性のうち半分以上は包茎であるといわれていますが、ほとんどは仮性包茎なので病気とはみなされません。
ところが数%~1割くらいの人は真性包茎で、亀頭部分が全く露出しない状態です。
この状態を放置し続けると細菌が繁殖して何度も炎症を繰り返したり、性交渉の際に支障をきたすなどのトラブルの原因になってしまいます。
そのため、医療機関で治療を受ける場合は健康保険が適用されます。
症状の程度は人それぞれですが、トラブルを避けるためにも真性包茎の意味や、どのような状態・症状なのかをきちんと知っておくことが大切です。
正常な男性器の状態と包茎とは
包茎を理解する上で、まず最初に正常な男性器の状態がどのようなものなのかを知っておくことが大切です。
全ての男性は誕生時には性器の先端が包皮に覆われた状態であり、小児は100%包茎といえます。
乳幼児や幼児であれば半分以上が包皮を剥くことができませんが、成長すると少しずつ包皮が向けて亀頭の部分が露出することができるようになります。
中学生でもほとんどの男性は亀頭が包皮に覆われていますが、それでも約9割の人は思春期を過ぎる頃には包皮を剥くことが可能な状態(仮性包茎)に変化します。
正常であれば10代後半から成人になるまでに包皮が常に剥けた状態になり、亀頭が常に露出するようになります。
ただし多くの成人男性は仮性包茎で、常に亀頭が露出しているわけではありません。
それでも簡単に包皮を剥くことができるので、お風呂で洗ったり性交渉をする際などには支障をきたすことはありません。
ただし亀頭の部分が包皮に覆われた状態が長時間続くことになるため、細菌が繁殖しやすかったり刺激に弱くて早漏の原因になるといったデメリットはあります。
一般的に男性器の先端の亀頭が常に露出している、または簡単に包皮を剥くことができる状態であれば、病気とはみなされません。
真性包茎とはどのような状態か
半分以上の日本人男性は仮性包茎で常に亀頭が包皮に覆われていますが、簡単に剥くことが可能です。
ところが一部の人は包皮の先端が狭くなっていたり、皮膚が癒着していることなどが原因で亀頭を露出させることができない状態です。
このように男性器の先端部分の亀頭を露出させることが不可能な状態を「真性包茎」と呼び、医学的に病気とみなされます。
亀頭を露出させることができないと、包皮に覆われた亀頭の部分で細菌が繁殖しやすい状態となります。
この部分で細菌が繁殖すると悪臭や亀頭包皮炎などの原因になりますし、免疫力が低下して性感染症に罹るリスクが高くなってしまいます。
細菌感染に加えて、包皮によって覆われた亀頭の部分の成長が阻害されてしまうケースも少なくありません。
勃起をしても亀頭が露出することができないことから、性交渉の際に支障をきたす恐れもあります。
亀頭を露出させることができない真性包茎の状態を放置すると、病気のリスクが高くなったり性交渉ができなくなるといった問題を引き起こすことが知られています。
真性包茎を放置し続けたとしても自然に治ることはなく、亀頭の部分の皮膚が癒着して症状が悪化してしまうリスクがあります。
真性包茎の対処方法とは
真性包茎は放置しても自然に治ることはないため、治療を受けることが必要です。
治療方法ですが、外科的な手術によって包皮の一部を切除することで亀頭の部分が露出するようにします。
治療は皮膚の一部を切除するだけなので全身麻酔をしたり入院をする必要はなく、局部麻酔をして30~40分程度の手術をするだけで終了します。
治療後は傷が治るまでは性行為ができないなどの制約があるものの、基本的に普段の生活を続けることができます。
真性包茎の手術をして治療をすれば、亀頭の部分で細菌が繁殖して亀頭包皮炎になったり、性交渉の際に支障をきたすような心配はありません。
真性包茎の手術には健康保険が適応されるので、3割負担で治療ができます。
美容外科や泌尿器科などに受診すれば、真性包茎の手術を受けることができるでしょう。
仮性包茎であれば包皮を剥くことが可能なので病気とはみなされませんが、包皮口が狭いことが原因で亀頭の部分が圧迫されることで真性包茎に近い状態のケースもあります。
このように仮性包茎でも真性包茎と似たような症状が出る場合は、亀頭の部分で炎症を起こしたり性交渉ができないなどの問題を起こすことがあるので治療が必要になります。
まとめ
大半の日本人男性は仮性包茎の状態ですが、一部の人は包皮を剥くことができない真性包茎です。
常に亀頭が包皮に覆われていると、細菌が繁殖して炎症を起こしたり、亀頭の部分の成長が阻止されて先細りになってしまうなどのトラブルの原因になってしまいます。
真性包茎は自然に治癒することがない病気なので、そのまま放置し続けると健康上の問題を抱えるようになるリスクが高くなるので注意が必要です。
もしも自分が真性包茎であることに気づいた場合は、皮膚が癒着したり重大なトラブルを起こす前に早めに治療を受けておくことが大切です。
包茎に関しての悩みは専門クリニックに相談しましょう